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恐怖!買われた経験
第5章 おぞましい出来事
「私も試していいね」
 ご主人の指がそろりそろりと脇から上半身を這う。
 指が乳首に届くと思わず、
「はうっ……くくっ……」
と声が出た。
「なるほど可愛い声だ」
 ご主人の指は柔らかく乳首を撫でるように動く。
 その度に身をよじって、喘ぎ声が出てしまう。
「なかなかの感度だな」
 言いながら、ご主人は背広姿のまま、大の字になっているぼくの上に体を重ねて来た。
 重い!
 逃れようとすると、不意に唇で唇をふさがれる。
 顔をそむけて逃げると、
「私は君に賠償金を請求することも出来るんだよ」
と、脅しをかけるように言い、また唇を求めて来る。
 しかたなく、侵入してくる舌に応じる。
 ご主人の唇は、唇から顎、首から鎖骨の上を這い、乳首に到達した。
「……ああっ」
 喘ぎ声が出ると嬉しそうに乳首を舐めまわす。
 ご主人の体重で股間が腹部に圧迫され、悪いことに直腸の中のバイブの振動が伝わったせいで勃起してしまった。
「君の体も応えてくれてるんだね、嬉しいよ」
 こちらは嬉しくない。
 ふと顔を横にやると、妻の静江さんがニヤニヤしながらこの醜態をビデオに撮っている。
 えっ?
 もしかして、二人はグルだった?
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