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リヴァイ兵長は選べない人
第11章 どうしようもないくらい
エレンは階段を駆け降りると、食堂へは向かわずそのまま地下の自室に駆け込んだ。
勢いよくドアを開けて部屋に入ると後ろ手でドアを閉めた。

「う…あ…」

堪えきれず声が漏れる。
そしてそのままその場にずるずると崩れ落ちて座り込んだ。
その瞳からは大粒の涙が次々と零れ落ちていた。
エレンは自分の気持ちを押し殺して、リヴァイにエルヴィンと話すように告げた。
でもそれはまだこの少年にとっては辛く、重い言葉だったのだ。

「う、うう…」

床に手をつくとボタボタと涙が床に零れ落ちる。嗚咽を抑えるように口を塞ぐ。
エレンは今にも張り裂けてしまいそうな心の中で叫んでいた。

リヴァイ兵長が大好き…大好き…大好き…どうしようもないくらいだいすきなのに…

でもどうやっても手が届かない、手に入らない存在…
さっきまで自分の腕の中にいた感覚、口付けた時の熱を思い出す。
胸は熱い塊が蠢き、喉元は強く締め付けられ、涙は止めどなく流れていく。
恋とはこんなに辛いものなのだと否応なしに思い知る。
行き場のない気持ちを抑え込む事が出来ず、エレンは暫くその場で泣き崩れていたのだった。
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