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リヴァイ兵長は選べない人
第12章 そして彼が選ぶ時
―あっという間に一日が過ぎた。
食堂で皆が集まり、各々が食事を摂る。
早めに済ませた者は紅茶を口にし、一日の疲れを癒す。

「これは自分で洗っておけばいいかい?」

エルヴィンがトレーを持って立ち上がった。
するとガタンと大きな音を立てて慌ててペトラが立ち上がった。

「とんでもないです、私たちがやりますのでそちらに置いておいて下さい」
「ありがとう、じゃあ任せるとするよ」

エルヴィンは優しく微笑むと、トレーを洗い場の方に持って行った。
皆より一足早く、自室に戻って行った。
リヴァイはいつどう話すかそのきっかけが掴めず、困惑していた。
考え込む度に食事をしている手が止まる。
きりが無いので、強引にぬるくなったスープを掻き込んだ。
そして立ち上がってトレーを洗い場に置くとまっすぐ自室へと戻った。

部屋に戻ると引き出しから煙草と灰皿とマッチを取り出した。
煙草は部屋にも自分自身にも匂いがつくのでリヴァイは好きでは無い。
でも無性に今日は吸ってしまいたい気分になったのだ。
ソファーに腰を下ろすと、テーブルにカタンと灰皿を置く。
マッチを取り出し擦るとボッと火が上がる。それをタバコの先に付ける。
息を吸うとジリジリと先が真っ赤な輝きを帯びる。
リヴァイは煙草を咥えたままソファーにもたれた。
指の間に煙草を挟み吸い込む、そして一度口から離す。
ゆっくりと煙を奥まで吸い込み、スーっと口からそれを吐き出す。
上に向かって煙がゆらめいていく。
それを見つめながら久しぶりの煙草の感触を味わう。
目を閉じて再びゆるりと吸い込む。
不思議と心が少し落ち着いてくる。
暫く天井を見ながらボーっとし、その行動を不規則に繰り返していた。
すると突然扉がコンコンとノックされた。
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