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リヴァイ兵長は選べない人
第10章 最後の交わり
あれから一週間程が経過した。
実験に、遠征に向けての会議など日々忙しく皆過ごしていた。
そんな中、エルドはリヴァイの異変に気が付いていた。
本人はもう具合は良くなったと言っているのだが、エルドにはそう見えなかったのだ。
そんな時、夕食後の片付けの最中にエレンがボソリと呟いた。

「エルドさん、やっぱり兵長具合悪そうに見えるんですが…」
「やはりお前にもそう見えたか」

カチャカチャと音を立てて二人で手早く食器を片付けていく。

「気づかれまいとしてる感じですが、あまり良くなっているように見えないんです」
「心当たりはある。今日の夜にでも兵長と話をしてみるよ」

エルドはなるべくエレンを心配させまいと薄っすらと微笑んだ。

「さぁ、片付けを早く終わらせてしまおう」
「はい、エルドさん」

あの具合を崩して帰って来なかった日に何かあったのだろう。
そもそもリヴァイ自体があそこまで具合を崩す事が考えられない。
本部に戻っていた時に何か大きな出来事があったに違いないとエルドは考えていた。

そしてその夜遅くにエルドはリヴァイの私室に向かう事にした。
かなりの遅い時間だったが、起きている確信があったからだ。
ランプに火を灯して扉の前まで来た。
ノックを二回してから声を掛ける。

「兵長、エルドです。遅くにすみません」
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