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あの海の果てまでも
第4章 新月の恋人たち 〜新たなる運命の扉〜
…それからは甘い蜜に塗れた爛れたような性交を繰り返した。

暁の身体は、背徳的な危険な阿片のように…それでいて儚げな花のような薫りと色香で大紋を酔わせた。

「…あぁ…も…やめ…て…」
激しい性交の末、二人は絡まりながら寝台から滑り落ちる。
そのまま暁を引き摺るように立たせ、壁に手を突かせる。
分厚いゴブラン織りのカーテンを取り払い、冷たい硝子窓に、暁を押し付ける。
夜の冷気が二人を包み込む。
火照った身体に、酷く心地よい。

「…や…あ…そと…みえちゃ…う…」
羞恥に啜り哭く暁を、荒々しく背後から犯す。
散々大紋の牡を受け入れた花肛は、柔軟に挿入を許しながらも、しっとりと絡み付くようにきつく締め付けた。

「…直ぐ入った…。
いやらしい淫らな穴だね…」
桃色に透ける薄い耳朶を噛み、囁く。

「…ああっ…や…だ…!」
か細い白い腰を抱え上げ、最奥まで突き上げる。
「…んんっ…!…そん…な…おく…まで…やめ…て…」
「もっと、奥まで犯してやる…」
…この体位が、一番感じやすく乱れやすいのを、大紋は知り尽くしていた。
暁は蹂躙されるような性交を求める。
野卑に扱われれば扱われるほどに、妖しく乱れ、何度も達するのだ。
…それは、幼少期の暗く歪んだ性の外傷からなのだが、愛する者に犯されることで、その傷を修復し心の平穏を保つという複雑なものであった。
長い年月、暁を抱いてきた大紋はその心理を理解していた。
だから、敢えて荒々しく下卑た獣じみた性の交わりを暁に強いた。
すべては、暁への愛ゆえだった。

…そんな常軌を逸した麻薬的な性交を体験した大紋にとっては、他のひととのそれはまるで味気ない水のようなものだった。

大紋は狂ったような激しい律動を繰り返す。

「…俺のものだ…。
お前は…俺だけのものだよ…。
…二度と…ほかの男と寝るな…。
…寝たら…」

…殺す…!
鼓膜に吹き込んだ瞬間…

「…あぁ…っ…!
悦い…!
…イく…イ…く…イッちゃ…う…!」
暁の濡れた声が曇り硝子を響かせる。

「…イけ…。好きなだけ…」
後ろから手を回し暁のまだ可憐な像を扱き、精を解放させてやる。

「ああ…っ…んんっ…!」
白い身体を震わせ、暁は身体をしならせる。

「…ああっ…!…イッちゃ…!」

…熱い白蜜が勢いよく窓硝子に放たれ、それはまるで聖女の涙のように、静かに滴り落ちた…。



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