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あの海の果てまでも
第4章 新月の恋人たち 〜新たなる運命の扉〜
「暁!
こんな遅くまで何処に行っていたんだ?
心配したんだよ」
玄関の呼び鈴を押す前に、扉が慌ただしく開かれ、中から出てきた大紋に強く腕を掴まれた。

「…春馬さん…」

大紋はネクタイを外したシャツ姿、いつもきちんと整えられている髪はやや乱れて額に落ちかかっていた。
「こんな遅くまで、ひとりで出歩いたら危ないじゃないか!
もう少しで警察に連絡するところだった!」
こんなに語気を荒げて話すことなど滅多にない。
暁は慌てて宥めるように首を振る。
「そんな…大袈裟…」
「大袈裟じゃない!
今、世間を騒がせている恐ろしい切り裂きJの話を知らないのか?
神出鬼没で何処に現れるか分からない。
通り魔的に出会った相手を切り裂き殺すんだ。
証拠も残さずに。
そんな奴がこの辺りに現れないとは限らないんだぞ」

話の内容…というより大紋の剣幕に暁は思わず身体を強張らせる。
…すると、大紋ははっと我に帰ったように表情を緩め、
「…ごめん。怒鳴ったりして」
詫びながら、暁を強く抱きしめた。

「君に…君にもしものことがあったら…。
僕はもう生きてはいけない…!
君は僕のすべてなんだから…!」

苦しげに唸るように囁かれ、思わず胸が詰まる。

「…春馬さん…」

暁の白い手が大紋の逞しい背中をぎゅっと抱き返した。

「…ごめんなさい…心配かけて…。
…でも、大丈夫だから」
「…うん…。
良かった…良かった…」

大紋は暫く、暁を離そうとはしなかった…。



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