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My Godness~俺の女神~
第11章 喪失、そして再生 ♣ここではないどこかへ♣
少し躊躇った後、ええいままよと右方向に脚を向ける。道は更に狭まり、少しいった先では、老人がコンクリートの低い防波堤に網をひろげて掛けている作業の真っ最中である。
海の眺めは大通りを歩いていたときとさほど変わらなかったが、更に近くなったという感はあった。現実として、真っ青な海が手を伸ばせばすぐの場所にまで迫っている。低い防波堤の向こうはもう海で、潮を濃く含んだ海風が一瞬、悠理の鼻腔を突いた。