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メダイユ国物語
第2章 ラバーン王国のプリンセス
「お前たちはマレーナ姫を城の安全なところへ避難させるんだ」

 ヨヌ・ルーに跨がりながら、ウェンツェルは侍女たちに指示を出す。

「私はひと足先に城へ戻り、バルトロ様とアリエネ様の護衛に就く」

 バルトロとは国王の、アリエネは王妃の名前である。

「わたしも連れて行って。お父様とお母様が心配だわ」

 マレーナがウェンツェルに向かって同行を求めた。

「いや、君はここから近い裏門から城へ戻りなさい。国王様と王妃様のことは我々騎士団に任せてくれ」

「でも――」

 続くマレーナの言葉を聞くことなく、ウェンツェルはヨヌ・ルーの腹を蹴り、丘を駆け下りて行った。

「姫様こちらへ! 二人も私について来て!」

 グレンナはマレーナの手を取りながら、ファニータとパウラの二人に檄を飛ばした。
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