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メダイユ国物語
第4章 非情な実験
 オズベリヒは注射器を手に取り、ファニータの検査衣の裾を捲り上げた。彼の目の前に、膝立ちをしたファニータの、何にも覆われていない薄褐色の二つの臀部と、その中央の縦割れたスジが現れた。オズベリヒはゴム手袋を嵌めた手を伸ばし、そのスジをゆっくり開く。サーモンピンクの陰唇が顔を出し、花びらが開くように左右に口を開けた。固く目を瞑り、屈辱に耐えるファニータ。

「お前は男と寝たことはありますか?」

 オズベリヒはファニータに訊く。

「ご、ございません……」

 彼女が答えると、オズベリヒは指先で秘部中央の、粘膜が集中した部分を何かを検めるかのように弄った。

「ふむ、生娘に間違いないようですね」

 室内の壁に顔を向け、その先にある鏡に向かってオズベリヒは言う。鏡の向こうからこちらを見ているであろう、侍女の主であるマレーナに向けての言葉だった。

「ファニータ……ごめんなさい」

 隣室からマジックミラー越しにそれらを見ていたマレーナは、身動きが取れず何も出来ない自分自身に憤りを覚えていた。

「これからお前にある薬品を投与します。じっとしていなさい、いいですね?」

「――はい」

「お前の身体に害を為す毒薬などではありません。安心しなさい」

 ベッドの上で向こう側を向き、恥ずかしさに顔を伏せているファニータのか細い返事を聞くと、オズベリヒは手にした注射器のシリンダー先端を彼女の臀部の谷間に差し入れた。シリンダー全体を動かし、ノズルが肛門を探り当てると、彼はそれをゆっくりと差し込んだ。

「ああっ!」

 下半身に異物の侵入を感じたファニータは顔を上げて仰け反り、思わず声を上げた。

 ノズルが全て肛門に埋まった手応えを感じたオズベリヒは、ピストンを押し込み、シリンダーの中身を彼女の直腸へ注ぎ入れた。排泄器官から、生温くドロドロとした液体が逆に流れ込んでくる不快感がファニータを襲う。

「この薬はお前の腸内から体内に吸収され、じきに効果を現すでしょう」

 中身が空になったシリンダーを引き抜きながらオズベリヒは言う。ノズルを吐き出した肛門から、少量の白く濁った液体が溢れ出した。

「しばらくそのままにしていなさい。動くと薬が流れ出てしまいます」

 ファニータは四つん這いになったまま無言で首を縦に振った。あまりの羞恥に、彼女は言葉も出せなくなっていた。
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