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プリンスの誘惑
第3章 ~腹黒王子~ (前編)
「ふぅ……」
「アザレアどうしたんだいため息なんかついて」
「あ……お兄様」
温室のテーブルにてお茶を嗜んでいた時、お兄様が椅子に腰掛けながら尋ねてきた。
わたしは「いえ……」と、笑顔を向ける。
そして、心の中でフゥーとため息をひとつ。
「なんでもないって顔じゃないな、僕に秘密ごとかい? もしかして、恋の悩み?」
ドキッ! 心臓が飛び跳ねる。
お兄様は、感のいい方……だけど良すぎ、どうしてわかったのかしら。
わたしは胸を押え否定するも、自分でもわかるほど顔が熱い……きっと、真っ赤に染まってる。