この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
プリンスの誘惑
第4章 ~腹黒王子~ (後編)
胸が苦しい……バクバクと早鐘を打ち続けられてるよう。呼吸の仕方もわからなくなってくる。
「アザレアもしかして、苦しいのですか?」
「あ……はい」
シェードさまはわたしの異変に気づいてくださった。手を口元に当て心配そうにわたしを見ている。
や、やっぱり……優しい方……?
「アザレア、コルセットを外せば少しは楽になるかも知れませんよ」
「あ……」
カラダを締めつける馴れないコルセット。
────確かにそうかもしれない。
「あ、でも……わたし、外し方もよくわからなくて」
コルセットはおろか、ドレスの脱ぎ方すら知らない。わたしはひとりでは着替えもできない。