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青い煩い、少女の情動。
第7章 勉強会という名の……

脱衣所。
私と悠寿君は2人してそわそわした面持ちで、ただそこに突っ立っていた。
[ひさって呼んでいい?]
私は文脈など関係ないとばかりに言葉を投げかける。
『うん。』
悠寿君はそれだけだ。
再びいたたまれない空気が流れるが、くよくよしててもキリがない、と私は決心してびしょびしょのトップスを脱ぐ。服が肌に張り付いて嫌な感じがした。スカートも脱いで、濡れた服をどうしようか思案していたところ、悠寿君と目があった。
下着姿の私とまだ濡れた服のままの悠寿君。
どうしたんだろうと思っていると
『濡れた服はそこの籠……。』
悠寿君が優しく教えてくれた。やはりこの兄弟は心配りに余念がなさすぎる。
[どうしたの?服脱がないの?]
私の顔から逸らした悠寿君の視線は当然私の胸にいく。依然、彼の頬は赤い。
『うん……。』
悠寿君のはっきりしない態度を見て、流石の私も気づいた。私の前で服を脱ぐのが、恥ずかしいんだ。小5にもなれば、年上の女の子と一緒にお風呂に入るのはプライドがゆるさないのかもしれない。
そりゃそうか……。失念していた。
それに気づいた私は
[じゃあ、私先に入ってるから。ひさも後で入ってきてね……。]
そういって、下着をパパっと脱いで洗濯機に入れ、速乾ボタンを押した。機械の駆動音と、お風呂のドアのガガガという音が脱衣所に響いた。
1人お風呂に入った私は、まず、息を大きく吸った。
響君が毎日ここでお風呂に入っているんだ。
当たり前だが、裸で。そう思うと自然と疼いてくるものがあるが、
[くしゅんっ!]
ふざけるのも大概にしろ、と自分の身体に叱責される。あれ?
ともかく、急いでシャワーを出し、あったかくなるまで数秒待つ。自分の家のお風呂であれば、いきなり浴槽にドボンというのも手ではあるのだが、人様のお風呂でそれができるはずもない。悠寿君も入るのだから余計にだ。

