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青い煩い、少女の情動。
第8章 布団の香り、

"GAME”
『よしっ!』
悠寿君はガッポーズ。対する私は、やってしまったーと己の浅慮さを呪う。
『莉央お姉ちゃん、最後、焦ったね。』
悠寿君は小馬鹿にした目で私を見る。このやろー。
[響君慰めて……。]
私が右隣の響君を見ると、彼はポカーンと口を開けて放心している。
『何が起こっているのか、さっぱり分かんなかったんだけど……。』
まぁ、初心者には難しい内容だったかもしれない。
[慰めて……。]
『えっ、うん……。莉央、惜しかったねぇ、頑張ったねぇー。』
[膝枕して……。]
『うん……。』
私はここぞとばかりに響君に甘える。なんか恋人みたい?響君のふとももは硬すぎず、柔らかすぎずのちょうどいい硬さだ。今日はこの枕で寝ようかな……。
『ねぇっ、莉央お姉ちゃん!もう一戦やろう?』
私のバカンスを邪魔するでないっ。悠寿君は勝ったんだからそれでいいじゃん。負けた私がいうのならまだしも……。
[えぇ……。ひさ強いもん。私響君としたいな……。]
私は響君のふとももをわさっと撫でる。
『えぇ……。僕弱いからな……。相手にならないと思うよ。』
響君は相当自信が無さそうだ、悠寿君が強すぎる以前に、響君は単にゲームが下手なのだろう。響君の限りなく少ない弱点をひとつ発見した。
『莉央が嫌じゃなかったら、ひさとゲームしてあげてくれないかな?』
響君は少し困った顔だ。好きな人に困った顔をさせるのは、それはそれで自分が許せないので、
[うん。いいよっー。今度は違うキャラでいこうかー。]
パッと気持ちを切り替えて、コントローラーを握り直す。実は響君に甘えたくて、わざとごねていたのだ。ごめんねっ。
『やったっ。』
悠寿君はすぐさま臨戦準備に入った。そして
"ルキナ"
"フォックス"
新たなる戦いが始まった。
私の使うキャラが古いキャラばかりなのはお愛嬌。
昔は64ばっかりやってたからね。

