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それぞれの後編
第9章 サディスティック・マリッジ〜第四章・夏〜【仲直りの仕方】
あれから一週間……
「入籍記念日のお祝いみたいなのはしたの?」
昼休みの社員食堂で坂本にそう聞かれ、愛里咲は目を伏せたまま首を横に振った。
「坂本さん! それ今禁句ですから!」
愛里咲から喧嘩について相談を受けていた根岸が慌てて坂本の口を押さえた。
「……喧嘩した?」
松田の言葉に、愛里咲はコクリと頷いた。
「原因は森永?」
根岸の手を剥がし、坂本はため息混じりにそう聞くと、社食の真ん中へと視線を泳がせた。
社食の真ん中…
社食に居る人たちがチラチラと見やるその視線の先には、琉の隣の席を陣取る摩美の姿があった。
「琉せんぱぁい、摩美の唐揚げ食べますか? はい、あ〜ん」
自分の分の唐揚げを箸で摘み、琉の口元へ近付ける摩美。
不機嫌さを滲ませた鋭い視線で摩美を見ていた琉だが、愛里咲の視線に気付きその唐揚げをパクリと口に含んだ。
「─────…っ‼︎ 」
慌てて視線を逸らし、お弁当を口に詰め込む愛里咲。
そんな愛里咲の様子に、根岸たちは困ったように顔を見合わせため息を吐いた。
「入籍記念日のお祝いみたいなのはしたの?」
昼休みの社員食堂で坂本にそう聞かれ、愛里咲は目を伏せたまま首を横に振った。
「坂本さん! それ今禁句ですから!」
愛里咲から喧嘩について相談を受けていた根岸が慌てて坂本の口を押さえた。
「……喧嘩した?」
松田の言葉に、愛里咲はコクリと頷いた。
「原因は森永?」
根岸の手を剥がし、坂本はため息混じりにそう聞くと、社食の真ん中へと視線を泳がせた。
社食の真ん中…
社食に居る人たちがチラチラと見やるその視線の先には、琉の隣の席を陣取る摩美の姿があった。
「琉せんぱぁい、摩美の唐揚げ食べますか? はい、あ〜ん」
自分の分の唐揚げを箸で摘み、琉の口元へ近付ける摩美。
不機嫌さを滲ませた鋭い視線で摩美を見ていた琉だが、愛里咲の視線に気付きその唐揚げをパクリと口に含んだ。
「─────…っ‼︎ 」
慌てて視線を逸らし、お弁当を口に詰め込む愛里咲。
そんな愛里咲の様子に、根岸たちは困ったように顔を見合わせため息を吐いた。