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それぞれの後編
第9章 サディスティック・マリッジ〜第四章・夏〜【仲直りの仕方】
「これ、明日の朝一だから。コピー20部を会議室に頼むね」
男性社員が摩美に資料を手渡せば、摩美は盛大にため息を吐く。
「足捻挫してるんですけどぉ? 動き回る仕事は無理です〜」
足の捻挫を言い訳に摩美が受ける仕事と言えば、簡単な入力の仕事などで就業時間のほとんどを携帯チェックに費やしている。
そうなると当然…
「愛里咲ちゃん…」
摩美に仕事を断られた男性社員が、眉を下げ愛里咲を見つめる。
「あ、はい。20部、会議室ですね」
愛里咲は両手に抱えたファイルの下から、手を出しそれを受け取った。
「あーもうっ、それは私がやっとくよ」
見兼ねた根岸が、愛里咲の手から今頼まれた仕事の資料を奪い取る。
「でっ…でも……」
「愛里咲! そのファイル片付けるんでしょ? 机の上にはまだやりかけの仕事が3つはあるよね? あと30分で終わるの⁈ 」
言いかけた愛里咲の言葉を遮り、根岸がため息混じりに言う。
自分自身の仕事もまだ残っている状態で、摩美が断る度に仕事が増え、愛里咲はまた残業の日々が続いていた。
男性社員が摩美に資料を手渡せば、摩美は盛大にため息を吐く。
「足捻挫してるんですけどぉ? 動き回る仕事は無理です〜」
足の捻挫を言い訳に摩美が受ける仕事と言えば、簡単な入力の仕事などで就業時間のほとんどを携帯チェックに費やしている。
そうなると当然…
「愛里咲ちゃん…」
摩美に仕事を断られた男性社員が、眉を下げ愛里咲を見つめる。
「あ、はい。20部、会議室ですね」
愛里咲は両手に抱えたファイルの下から、手を出しそれを受け取った。
「あーもうっ、それは私がやっとくよ」
見兼ねた根岸が、愛里咲の手から今頼まれた仕事の資料を奪い取る。
「でっ…でも……」
「愛里咲! そのファイル片付けるんでしょ? 机の上にはまだやりかけの仕事が3つはあるよね? あと30分で終わるの⁈ 」
言いかけた愛里咲の言葉を遮り、根岸がため息混じりに言う。
自分自身の仕事もまだ残っている状態で、摩美が断る度に仕事が増え、愛里咲はまた残業の日々が続いていた。