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それぞれの後編
第10章 サディスティック・マリッジ〜第五章・秋〜【前進するために…】
琉のその姿が無性に可愛くて、愛里咲の頬が嬉しさにだらしなく緩む。
そして、その緩みは口元すら緩ませる。
「もぉっ、琉ちゃんて私の事、大好きだよね!」
─────…沈黙。
─────……沈黙。
─────………沈黙。
「あ………」
琉からの無言の圧力に、愛里咲の口は開いたまま固まる。
ポンと優しく、愛里咲の頭の上に琉の手が乗せられる。
あはは…と乾いた笑い声を出しながら誤魔化そうとする愛里咲。
ガシッ
頭の上の琉の手に力が込められた。
「痛い痛い痛いっ‼︎ ごめんなさいっ‼︎ 調子に乗りました‼︎ 」
愛里咲は、その手から逃れようとジタバタともがく。
「質問の答えになってねぇなぁ?」
「質問⁉︎ 」
愛里咲は頭の中で、必死に先程の会話を手繰り寄せた。
「あ、里中さんとの会話ですよね⁈ えええっと…今幸せかと聞かれて、とても幸せですと答えました。それだけですっ‼︎ 」
「─────…っ」
今度は琉が固まる。
恐る恐る琉を見上げる愛里咲を、琉の腕がキツく抱き締めた。
そして、その緩みは口元すら緩ませる。
「もぉっ、琉ちゃんて私の事、大好きだよね!」
─────…沈黙。
─────……沈黙。
─────………沈黙。
「あ………」
琉からの無言の圧力に、愛里咲の口は開いたまま固まる。
ポンと優しく、愛里咲の頭の上に琉の手が乗せられる。
あはは…と乾いた笑い声を出しながら誤魔化そうとする愛里咲。
ガシッ
頭の上の琉の手に力が込められた。
「痛い痛い痛いっ‼︎ ごめんなさいっ‼︎ 調子に乗りました‼︎ 」
愛里咲は、その手から逃れようとジタバタともがく。
「質問の答えになってねぇなぁ?」
「質問⁉︎ 」
愛里咲は頭の中で、必死に先程の会話を手繰り寄せた。
「あ、里中さんとの会話ですよね⁈ えええっと…今幸せかと聞かれて、とても幸せですと答えました。それだけですっ‼︎ 」
「─────…っ」
今度は琉が固まる。
恐る恐る琉を見上げる愛里咲を、琉の腕がキツく抱き締めた。