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第11章 サディスティック・マリッジ〜第六章・秋〜【ドキドキディナー】

疲れ果てて眠る愛里咲。
その頭を、琉が優しい手付きで撫でている。

その表情は、普段の愛里咲には絶対に見せない程に穏やかだ。


「愛里咲……」

愛おしさに、琉の声が震える。


琉の指が優しく愛里咲の髪を梳き、その髪が落ちればまた掬っては、手櫛で愛里咲の髪を梳いていく。

寝ている愛里咲の耳元に唇を寄せながら、琉は愛里咲の言葉を思い出していた。


”あの時、言ってくれた言葉…もう一度聞きたい”
”愛してるって……言って”


フッと琉は優しい笑みを漏らす。

「愛里咲…愛してる……」

軽く耳に唇を付ければ、愛里咲の身体がピクリと反応する。


「一回しか言ってやんねぇからな……先に寝た愛里咲が悪い」

そう言って、琉はほんのり紅く染まった顔を隠すように、愛里咲の胸に顔を埋めた。