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それぞれの後編
第12章 サディスティック・マリッジ〜第七章・冬〜【立場逆転⁉︎】
「…りさっ、愛里咲っ‼︎ 」

「はっ⁉︎ 」

琉の怒り心頭な声に愛里咲はハッと目を覚ました。


「重い! 苦しい! 退け‼︎ 」

琉が身体を揺すって愛里咲を降ろそうとする。

「んっ」

「─────は?」

琉に揺さぶられ、お互いの身体が繋がったままいる事に気付く。

相当疲れたのか、先程、愛里咲は途中でウトウトと寝てしまったようだ。


まだ辺りは暗い。
時計を見れば、先程より数時間経っていた。

愛里咲は眠い目を擦りながら、ゆっくりと身体を起こした。


「これ、どういう事だよ⁈ 」

外し忘れた帯を琉がキツく引いている。

(ひぇーっ‼︎ )

「ごっ、ごめん!」

慌てて帯を外す愛里咲。

赤く跡のついた手をさすりながら、琉は愛里咲を睨む。
もう完全にお酒は抜けているようだ。


「そっ、それはっ、琉ちゃんが、望んでつけたんです」

覚えていませんようにと願いながら、苦し紛れに嘘をついた愛里咲。

「はぁ? マジかよ?」

どうやら昨晩の事を覚えていない様子の琉。首を傾げている。


「……んで? こっちは? 」

「えっ⁉︎ 」

グルンっと愛里咲の視界が反転する。

見上げた先に、寝室の天井と覆い被さる琉が映る。


「何で繋がったままなんだよ? 」

「あーえっと……」

上手い言い訳が浮かばず、愛里咲は目を泳がせた。

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