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それぞれの後編
第13章 サディスティック・マリッジ〜第八章・冬〜【これからもずっと】
「ムカつく」
不機嫌な声の後に、耳に走る鋭い痛み。
「痛っ、琉ちゃんだって森永さんと伊藤さんに抱きつかれてたじゃない」
噛まれた耳を押さえながら、愛里咲は涙目で琉に抗議する。
「俺こそ不可抗力だろ。お化け屋敷で女置いて出て来れないだろ」
「じゃあお互い様でしょ!」
「お前は自分から抱きついてんだから不貞行為だろ」
「ええっ⁉︎ 何それ‼︎ 」
大声で怒鳴り合ったかと思えば、不意に伸びてきた琉の腕に抱き寄せられる。
「琉ちゃん…?」
「もう黙れよ……」
近付く唇が触れ合う。
チュッ…軽い音を立てて直ぐに離される唇。
(あ…今のって…観覧車の頂上だった…?)
反射的に閉じていた瞳を開ければ、ゴンドラが下降し始めているのがわかる。
”頂上でキスしたら、永遠に幸せになれるって”
先程の男の言葉を思い出す。
(ジンクスなんて信じてないくせに)
思いながらも、嬉しくてつい頬が緩む。
そんな愛里咲の耳元に、琉は再び唇を寄せた。
「家帰ったらたっぷりお仕置きだからな」
「なっ…⁈ 」
不機嫌な声の後に、耳に走る鋭い痛み。
「痛っ、琉ちゃんだって森永さんと伊藤さんに抱きつかれてたじゃない」
噛まれた耳を押さえながら、愛里咲は涙目で琉に抗議する。
「俺こそ不可抗力だろ。お化け屋敷で女置いて出て来れないだろ」
「じゃあお互い様でしょ!」
「お前は自分から抱きついてんだから不貞行為だろ」
「ええっ⁉︎ 何それ‼︎ 」
大声で怒鳴り合ったかと思えば、不意に伸びてきた琉の腕に抱き寄せられる。
「琉ちゃん…?」
「もう黙れよ……」
近付く唇が触れ合う。
チュッ…軽い音を立てて直ぐに離される唇。
(あ…今のって…観覧車の頂上だった…?)
反射的に閉じていた瞳を開ければ、ゴンドラが下降し始めているのがわかる。
”頂上でキスしたら、永遠に幸せになれるって”
先程の男の言葉を思い出す。
(ジンクスなんて信じてないくせに)
思いながらも、嬉しくてつい頬が緩む。
そんな愛里咲の耳元に、琉は再び唇を寄せた。
「家帰ったらたっぷりお仕置きだからな」
「なっ…⁈ 」