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それぞれの後編
第3章 身代わり妹〜第三章〜【聖夜】
「美優」
グイッと手を引かれる。

「ちょっと寄り道」

見憶えのある喫茶店。

そして、見憶え…食べ憶えのあるチョコレートパフェが運ばれてきた。

「……覚えてたんだ?」


あれは確か、優太を妊娠中……臨月辺りだったかな?
産婦人科から歩いて帰ったら途中で具合悪くなって、ここに立ち寄った。

明らかに不機嫌な顔で凌太が迎えに来てくれた時、私は呑気にチョコレートパフェを食べてたんだよね……。


「当たり前だろ。で、美優のおごりで俺はコーヒー」

すみません…と、凌太が店員さんに向けて片手を上げる。

「アイスコーヒーね」

真夏のあの日、凌太が頼んだのはアイスコーヒーだった。
眉間に皺を寄せる凌太に、クスクスと笑い出してしまった。

「……外、雪降ってんだけど」

フッと凌太が窓の外へと視線を移す。


クリスマス…雪が降るかな?

そしたら子供達、喜ぶだろうな…。
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