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それぞれの後編
第20章 サディスティック・マリッジ【あとがきのあと】
ピン!エレベーターが到着し、部署へと急ぐ人波に押されるようにその中へ乗り込む。
(そういえば……)
琉の頭の中に、数日前の記憶が蘇る。
他の部署との合同企画の仕事の打ち合わせを終え、佐藤と共にエレベーターを待っていた。
開いたエレベーターの中にいたのは、愛里咲と副社長。2人の距離がムカつく程に近くて、琉は急いで愛里咲を引き寄せていた。
(あの時……副社長は愛里咲に仕事を頼んだって言ってたな)
無理だと、半泣きで副社長に縋った愛里咲を思い出す。
(副社長……か)
その人物を思い浮かべれば、ゴチャゴチャしていた頭の中が纏まり掛ける。
だが、自身のデスクへと着いた琉の頭はまた混乱に陥った。
「ぅ…っ…あぁ……」
呻き声を上げているのは、琉の仕事のペアである佐藤だ。冷や汗を流し、真っ青な顔を机にうつ伏せていた。
「……大丈夫ですか?」
腹でも下したのか。佐藤の座り方が可笑しい。お尻を少し浮かせたような座り方を不審に思いながら、琉は佐藤の隣へと座った。
「死にそう……いや、俺は男として……死んだかも……」
「は?単なる痔じゃなくて?」
「痔じゃない!いや!そうじゃなくて!」
琉を見た佐藤の瞳がウルウルと湿り出す。
いつものように、平然と椅子に座る琉。
なんともないのか?我慢してるのか?
顔を上げた佐藤は、その勢いのままに琉の尻をガシッと掴んだ。
「なんでお前は平気なの?」
「は⁉︎ ちょっと、佐藤さん⁉︎ 」
慌てた琉が振り払うまでもなく、急に動いたせいかお尻を押さえ佐藤が崩れ落ちる。そしてまた、机に顔を伏せて肩を震わせ始めた。
(そういえば……)
琉の頭の中に、数日前の記憶が蘇る。
他の部署との合同企画の仕事の打ち合わせを終え、佐藤と共にエレベーターを待っていた。
開いたエレベーターの中にいたのは、愛里咲と副社長。2人の距離がムカつく程に近くて、琉は急いで愛里咲を引き寄せていた。
(あの時……副社長は愛里咲に仕事を頼んだって言ってたな)
無理だと、半泣きで副社長に縋った愛里咲を思い出す。
(副社長……か)
その人物を思い浮かべれば、ゴチャゴチャしていた頭の中が纏まり掛ける。
だが、自身のデスクへと着いた琉の頭はまた混乱に陥った。
「ぅ…っ…あぁ……」
呻き声を上げているのは、琉の仕事のペアである佐藤だ。冷や汗を流し、真っ青な顔を机にうつ伏せていた。
「……大丈夫ですか?」
腹でも下したのか。佐藤の座り方が可笑しい。お尻を少し浮かせたような座り方を不審に思いながら、琉は佐藤の隣へと座った。
「死にそう……いや、俺は男として……死んだかも……」
「は?単なる痔じゃなくて?」
「痔じゃない!いや!そうじゃなくて!」
琉を見た佐藤の瞳がウルウルと湿り出す。
いつものように、平然と椅子に座る琉。
なんともないのか?我慢してるのか?
顔を上げた佐藤は、その勢いのままに琉の尻をガシッと掴んだ。
「なんでお前は平気なの?」
「は⁉︎ ちょっと、佐藤さん⁉︎ 」
慌てた琉が振り払うまでもなく、急に動いたせいかお尻を押さえ佐藤が崩れ落ちる。そしてまた、机に顔を伏せて肩を震わせ始めた。