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それぞれの後編
第21章 青天の霹靂
待って!

待って!待って!

ちょっと待ってよ。

「ここ!教室なんですけど⁉︎ 」

無遠慮に制服の中へと進みだした夏川クンの両手を慌てて掴む。


「だから、何?」

睨むように向けられた冷たい視線。有無を言わせない強い視線に……───何故かトキメク。

ダメだ。このまま流されちゃいそう。


「な、ななな、夏川っ…クン!」

「……同じこと、何回も言わせんな」

「え……?」

同じこと?
 
あ!もしかして、名前で呼べっていう……?


「ていうか、夏川クン言葉遣い変わってない?」

あ……また、”夏川クン” て呼んじゃった……

恐る恐る見上げた彼の顔は……

「ひ、ぃぃぃぃぃ……っ」

完全に…目が…っ…目が笑ってない!

私の反応を見てすぐに引き上げられた口端は意地悪く弧を描き、

「オ・シ・オ・キ」

恐ろしい言葉を発した。


……目の前にいるこの人は、ダレ??


私の知ってる、優しくて、話し上手で聞き上手、いつも誰にでもニコニコしてる夏川クンじゃなーいっ‼︎



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