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それぞれの後編
第22章 うちのむぅがドSなのか口が悪いのか微妙な件【2017】
「むぅ!お誕生日おめでとう♡」
「サンキュー……ってまたヒドイ落書きだな」
毎年恒例の蘭からのプレゼント。
手作りクッキーは上達したものの、チョコペンのお絵描きは一向に上達の気配がない。
それでも、口元を緩ませ嬉しそうにクッキーを頬張るむぅを見つめるこの瞬間が好きだと、蘭の顔もニヤける。
「何?ゴチソウサマデシタ。オイシカッタデス。これで満足?」
「もっと感情込めてくれなきゃ満足出来ません!」
幼馴染の延長のようなお付き合い。子供染みた2人。
唇を突き出して拗ねる蘭と、斜め上に天井を見上げてため息を零すむぅ。
だけどすぐに笑い合って、磁石のように引き寄せられて寄り添う。
「子供だなー、むぅは」
クスクス笑う蘭の頰に、
チュッ
むぅの唇が触れる。
「ふっ、不意打ち!やめてよ!」
驚いて顔を上げ、怒る蘭は茹で蛸のように顔を赤くしていて、むぅは益々口端を上げる。
「不意打ちがダメなら……」
「ひっ⁉︎ む、むぅ⁉︎ 」
顎を掬い上げられ、間近に迫ってくる整った顔に、蘭は蒸気を吹き出しそうなくらい真っ赤になって瞳を泳がせる。
「蘭、キス、していい?」
も、もう唇が触れちゃいそうだよ〜!
心の中でそう叫んで、蘭はギュッと瞳を閉じた。
「蘭、不意打ちはダメなんだろ?ちゃんと言って?」
むぅの息が唇に掛かる。
蘭はもうすっかりその気なのに、待てども唇が重ならない。
「蘭?」
「いいいい意地悪っ!そんな恥ずかしいこと、言えない!」
「やだ、聞きたい。すげー可愛く ”むぅ、キスして” っておねだりして?」
「サンキュー……ってまたヒドイ落書きだな」
毎年恒例の蘭からのプレゼント。
手作りクッキーは上達したものの、チョコペンのお絵描きは一向に上達の気配がない。
それでも、口元を緩ませ嬉しそうにクッキーを頬張るむぅを見つめるこの瞬間が好きだと、蘭の顔もニヤける。
「何?ゴチソウサマデシタ。オイシカッタデス。これで満足?」
「もっと感情込めてくれなきゃ満足出来ません!」
幼馴染の延長のようなお付き合い。子供染みた2人。
唇を突き出して拗ねる蘭と、斜め上に天井を見上げてため息を零すむぅ。
だけどすぐに笑い合って、磁石のように引き寄せられて寄り添う。
「子供だなー、むぅは」
クスクス笑う蘭の頰に、
チュッ
むぅの唇が触れる。
「ふっ、不意打ち!やめてよ!」
驚いて顔を上げ、怒る蘭は茹で蛸のように顔を赤くしていて、むぅは益々口端を上げる。
「不意打ちがダメなら……」
「ひっ⁉︎ む、むぅ⁉︎ 」
顎を掬い上げられ、間近に迫ってくる整った顔に、蘭は蒸気を吹き出しそうなくらい真っ赤になって瞳を泳がせる。
「蘭、キス、していい?」
も、もう唇が触れちゃいそうだよ〜!
心の中でそう叫んで、蘭はギュッと瞳を閉じた。
「蘭、不意打ちはダメなんだろ?ちゃんと言って?」
むぅの息が唇に掛かる。
蘭はもうすっかりその気なのに、待てども唇が重ならない。
「蘭?」
「いいいい意地悪っ!そんな恥ずかしいこと、言えない!」
「やだ、聞きたい。すげー可愛く ”むぅ、キスして” っておねだりして?」