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それぞれの後編
第4章 硝子の初恋〜第一章〜【王子様】
「久しぶりに泳いでる所見たいな」

まゆなが、温水プールへと続くガラス張りの壁に寄りかさりながら高臣に言った。


幼稚園から高校まで、15年間水泳を続けてきた高臣。

大学への進学も、水泳での推薦の話があったくらいだ。

だが、高校総体を優勝で飾り、惜しまれつつもキッパリと引退した。

それでも週に2〜3回はジムのプールに通っていて、水泳選手らしい逆三角形の体型は維持している。


まゆなは中学生の頃、水泳の大会で高臣の泳ぐ姿を見た。

水泳が好きだとか詳しい訳ではないまゆなけれど、高臣の泳ぐ姿に釘付けになった。

そして、それ以来、高1で付き合えるようになるまで、まゆなはずっと高臣に片想いをしていたのだ。


「後でな」

そう言うと、高臣はまゆなの手を引き、ベッドへと引き寄せた。


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