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それぞれの後編
第4章 硝子の初恋〜第一章〜【王子様】
まゆなのクラスメイトだった一輝の家は、父親がラブホを経営していた。

そのホテルで大人気だったイベントを考えていたのが高臣で、それが高じて現在のイベント企画の仕事に就いたのだ。


「すごい! スイートルーム⁈ 」

クリスマスイブの今日、ホテルはカップルで賑わっていた。
溢れ出たカップル達が、車の中やロビーで空き待ちしている程だ。

そんな中、高臣は抜かりなく予約をしていた。

しかも、最上階のスイートルーム‼︎

トイレ、洗面、バスルームの他に、テーブルとソファーの置かれたダイニングルームがある。

その奥の寝室はガラス張りになっていて、ガラスのドアを隔てた向こうに屋内の温水プールがある。


一度だけ、高臣が水泳大会で自己ベストを更新した時に、一輝の父親である社長の奢りでこの部屋に泊めさせてもらった事があるが、相変わらずの豪華さにまゆなは口をポカンと開けて見惚れていた。

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