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それぞれの後編
第5章 硝子の初恋〜第二章〜【8回目ののクリスマス】
「まゆ……いろいろあったけどさ、もう1人で泣かせないから……」

まゆなの目を見つめながら、高臣がまゆなに想いを告げていく。

「俺のこれから先…一生をまゆがもらって?」

高臣の真剣な瞳に、まゆなは吸い込まれるように頷いていた。

高臣が嬉しそうに笑うと、まゆなの胸が更に高鳴る。


「まゆ……俺と…結婚して下さい……」

ポケットから小さな箱が取り出され、まゆなの手の上に載せられた。


「……もちろんっ、喜んで‼︎ 」

泣き顔なのも忘れ、まゆなは満面の笑みを浮かべる。
ようやく高臣も安堵の表情を見せた。


小箱の中には、台座にダイヤが煌めくリングが入っていた。

「これ…結構有名なブランドのだよね? 高かったでしょ……?」

まゆなはゆっくりとリングを手に取った。

「給料3ヶ月分」

得意げに答える高臣。
まゆなはその手にリングを渡す。

「ありがとう……ね、着けて?」

スッと差し出されたまゆなの左手。
その薬指に、ゆっくりとリングが嵌められていく。


「今以上の幸せなんてあるのかな……」

目に涙を浮かべ、満面に幸せを湛えた笑みを見せるまゆな。

「これからいくらでも今以上の幸せをくれてやる」

同じような笑みを浮かべ、高臣はまゆなの唇にそっと唇を寄せた。

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