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それぞれの後編
第5章 硝子の初恋〜第二章〜【8回目ののクリスマス】
「……まゆ…俺と…っ……結婚して下さいっ」
突然の言葉に固まるまゆなの身体を、高臣はキツくキツく抱き締めた。
「あー、情けねぇ…目を見ながらじゃ緊張し過ぎて言えなかった……」
そんな呟きを吐き出す度に、高臣のまゆなを抱き締める力が強まっていく。
「まな…と……」
苦しいくらいに心臓がバクバクと忙しく動き、まゆなの頬をポロポロと涙が零れ落ちた。
「まゆ……?」
高臣の手にまゆなの涙が落ち、高臣は訝しげにまゆなの顔を覗き込んだ。
「へへっ…嬉し涙……」
そう言うのが精一杯で、まゆなは顔を歪めて俯いた。
グッとまゆなの身体が引き寄せられる。
高臣と向かい合い、頬に添えられた高臣の手に上を向かされていた。