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それぞれの後編
第6章 サディスティック・マリッジ〜第一章・春〜【新入社員】
給湯室で琉のワイシャツを洗う愛里咲の後ろには、またも摩美が近づいて来ていた。

「千葉さん、シミ取れそうですか?」

摩美の声に、とっさにシンク横を確認した愛里咲。
外したマリッジリングは、制服の胸ポケットに入れていた事を思い出しホッとした。

「薄くはなってきたけど……」

自ら話し掛けたくせに、愛里咲の言葉なんて耳に入らない摩美。

「琉先輩ってエッチ上手ですよね。中学生同士だったのに、摩美めちゃくちゃイキまくってました」

摩美は琉とのセックスの思い出を語り始めた。

愛里咲とのセックスとは違い、全くのノーマルなセックスだ。

(そりゃあ中学生なら当然なのかもだけど……)
と思いつつも、イライラが募っていく愛里咲。

「マジ優しくて、摩美ばかりイッちゃって終わった時もあるんですよ」

(……私には”イクな”なのに⁉︎)
中学生の頃の思い出相手にヤキモチなんてと思いつつ、愛里咲の心はムカムカと嫉妬に燃えてきていた。


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