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それぞれの後編
第6章 サディスティック・マリッジ〜第一章・春〜【新入社員】
「あ、ワイシャツ!」
愛里咲が小さく呟き根岸の手を外せば、男性社員は愛里咲に伺うような眼差しを向け、女子社員は摩美を睨みつけていた。
「えっと…ワイシャツ給湯室に忘れちゃって……取ってきます!」
コーヒーのシミがついた琉のワイシャツを置き去りにしてしまった給湯室へと急ぐ愛里咲。
早足だった足は小走りになり、全速力で給湯室に駆け込む。
「─────…っ」
必死に堪えた涙がポロポロと零れ落ち、着替えたばかりの琉のワイシャツに染み込んでいった。
「琉ちゃ…バカ…っ…」
給湯室に入ると同時に引き寄せられた目の前の広い胸板に、息が出来なくなるくらい深く顔を埋める。
「……じゃあ、男とのキスならよかったのかよ……」
不可抗力なのはわかってる…。
でも悔しくて、琉の背中に腕を回してキツく抱き着く。
「どっちもやだっ…私だけがいいっ…」
愛里咲の答えに、琉の愛里咲を抱く手に力が込められた。
愛里咲が小さく呟き根岸の手を外せば、男性社員は愛里咲に伺うような眼差しを向け、女子社員は摩美を睨みつけていた。
「えっと…ワイシャツ給湯室に忘れちゃって……取ってきます!」
コーヒーのシミがついた琉のワイシャツを置き去りにしてしまった給湯室へと急ぐ愛里咲。
早足だった足は小走りになり、全速力で給湯室に駆け込む。
「─────…っ」
必死に堪えた涙がポロポロと零れ落ち、着替えたばかりの琉のワイシャツに染み込んでいった。
「琉ちゃ…バカ…っ…」
給湯室に入ると同時に引き寄せられた目の前の広い胸板に、息が出来なくなるくらい深く顔を埋める。
「……じゃあ、男とのキスならよかったのかよ……」
不可抗力なのはわかってる…。
でも悔しくて、琉の背中に腕を回してキツく抱き着く。
「どっちもやだっ…私だけがいいっ…」
愛里咲の答えに、琉の愛里咲を抱く手に力が込められた。