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それぞれの後編
第6章 サディスティック・マリッジ〜第一章・春〜【新入社員】
「ないっ、ないっ、ない─────っ」
確か、給湯室の流しに引っ掛けていた筈。
なのに、給湯室内のあちこちを探しても、琉のコーヒーのシミがついたワイシャツが見つからなかった。
「別にいいだろ、新しく買えば」
給湯室のドアに凭れ、琉が呆れたように呟く。
(琉ちゃんは呑気過ぎる)
誰かを疑うのは嫌だけど、もし女子社員が琉のものだと知っていて持ち去ったとすれば、その後の使い道は知れている。
「もしかしたら誰かが干してくれたのかも! 琉ちゃんは先に戻ってて」
一部の望みを託し、愛里咲は社内のあちこちを駆け回った。
確か、給湯室の流しに引っ掛けていた筈。
なのに、給湯室内のあちこちを探しても、琉のコーヒーのシミがついたワイシャツが見つからなかった。
「別にいいだろ、新しく買えば」
給湯室のドアに凭れ、琉が呆れたように呟く。
(琉ちゃんは呑気過ぎる)
誰かを疑うのは嫌だけど、もし女子社員が琉のものだと知っていて持ち去ったとすれば、その後の使い道は知れている。
「もしかしたら誰かが干してくれたのかも! 琉ちゃんは先に戻ってて」
一部の望みを託し、愛里咲は社内のあちこちを駆け回った。