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少し愛して
第2章  逢瀬

夕方6時に千佳は学芸大学の本屋で佑貴が来るのを待っていた。
程なくして、佑貴が本棚の間から姿を現した。

「山崎さん…」

とても嬉しそうにそう言うのだった。

「福山くん…」
「どこに飲みに行きます?学大でいいよね?」

「ええ、いいわ…」

そう言うと二人は学大にある養老の滝に入って行ったのである。
週末の金曜日とあって店は混んでいた。

二人は端っこの二人席に通された。
ちょっと窮屈な感じがした二人だった。

「山崎さん、何飲みます?俺はビールだから」
「私ビール飲めないから日本酒お願い…」

「うん、わかった」

そう言うと佑貴がオーダーしてくれた。
程なくして、店員が飲み物を持ってきてくれる。

「お疲れ様~」

そう言いながら二人は乾杯したのである。
二人は不思議なほどに気が合った。

千佳は吉田よりも佑貴の方がずっと一緒にいて楽しいと感じていたのだ。
佑貴は社内恋愛している人たちの事を良く話していた。



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