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少し愛して
第3章  連休

GW初日…。
二人は東北新幹線に乗っていた。

新幹線に乗るなり佑貴はビールを買ってきた。

「山崎さんも飲みます?」

千佳はその言葉を聞くと笑ってしまったのだ。
早々に断りの返事をした。

「私はお茶でいいわ」

そう言うとまた笑ったのだ。
仙台駅まで新幹線で2時間くらいだった。

千佳は東北には行ったことが無かった。
仙台は生まれて初めて行くのだ。

とてもワクワクしていた。
新幹線の窓から桜の花を見た時には感動を覚えたのだ。

今年の春は2度も桜を見られたのだと思っていたのである。

新幹線は仙台駅に正午ころ到着した。
見るもの聞くもの全てが千佳にとって初めてのことだった。

佑貴の実家は仙台駅から仙石線に乗り塩釜というところにあった。
今回は実家には泊まらず千佳はビジネスホテルを予約していた。

まだ、佑貴と結婚する訳ではないので実家にはいかないことにしていたのだ。
佑貴も自分の親には千佳のことは知らせていなかった。

この日の夜に佑貴の田舎の友人が仙台駅まで来てくれることになっていた。
千佳はそれを心待ちにしていたのだった。


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