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第4章 　同棲

（1）
千佳は佑貴と付き合うようになってから、一緒に暮らしたいと思い始めた。
それは、佑貴も同じだった。

千佳は佑貴の会社に近いところに家を借りたいと思っていた。
そうなると、今住んでいる川崎市から横浜市まで引っ越さないといけなかった。

この頃、まだ千佳は某大手電機メーカーに派遣で働いていた。
勤めるビルは東京の三田駅から歩いて数分の所にあった。

今住んでいる川崎市の自宅からでも会社まではかなり遠かった。
横浜市に移り住んだらもっと遠くなる。

でも、それでも構わないと思っていた。
そこで、毎日会社帰りや休日など、近所の不動産屋を回って部屋を探すようになっていた。

部屋の間取りは3LDKだった。
その家に自分の部屋を持ちたいと思っていたのだ。

佑貴の部屋、自分の部屋、リビング、キッチン、バスルーム、が必要だった。
リビングとは別に、お客さんなどが来た時に泊める部屋も欲しかった。

そうなるとどうしても3LDKのマンションでないとダメだと思っていたのである。
それに、2匹の猫もいたのだ。

ペット可の物件を探さなくてはいけないと思っていた。
千佳は毎日会社の帰りに不動産屋を回った。

だが、なかなかいい部屋は見つからなかった。

千佳が思うところのマンションは玄関に入ると両側に6帖程の部屋があり廊下の突き当りにリビングがあると言う物件であった。

しかし、その様な物件はなかなか見つからなかった。