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第8章 　セックスレス

（1）
結婚してから5年が経っていた。
この5年の間、二人にはまだ子供はいなかった。

ここ数か月、夫の佑貴は千佳にセックスを求めなくなっていた。
理由は分からなかった。

ある夜、千佳は佑貴の部屋に行きベッドに潜り込んだ。
そして、千佳からキスしていった。

でも、いつもと佑貴は違うのである。
そのキスでも何もリアクションもなかったのだ。

ペニスを触っても勃起している様子もなかった。
佑貴から何の反応も見られないのでベッドを出て自分の部屋のベッドで眠ったのだ。

千佳は、意味が分からないでいた。
でも、ある時単刀直入に佑貴に聞いてみたのだ。

「何で、今日もセックスしてくれないの？」
「別に、今日しなくてもいいじゃん？」

そんな答えが返ってきた。
千佳はとても寂しくなっていた。

それと同時に佑貴の体も心配になっていたのだ。

この頃、千佳は夜眠れないことが多くなっていた。
セックスレスで悩んでいたせいかも知れなかった。

余りにも眠れないので“心療内科”に行くことにしたのである。