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少し愛して
第10章  秘密②

桜庭はそう言うと店の奥に入って行った。

「お待たせしました。こちらです」
「まぁ、素敵…黄色くて可愛いわ」

「福山様に良くお似合いかと思います」
「ありがとう…」

二人は暫く着物の話しで盛り上がっていた。
どの着物がいいとか、どの着物が似合うとか、そんな話だった。

千佳から話を切り出した。

「桜庭さん、今日お昼でも一緒にどうですか?」
「お昼ですか?」

「ええ、お昼です。もし良ければ私と一緒に食べてくれませんか?」
「そうですね、店は他の者に任せてお昼に行きましょうか」

「そう、ありがとう。嬉しいわ」
「じゃ、ちょっと他の者に話してきます」

そう言い残すと奥へ消えていった。
暫くすると、桜庭が戻ってきた。

「では、お昼に行きましょうか?」
「はい、お願いします」

二人は呉服屋を後にして町に出ていった。






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