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郁と悠(もうひとつの物語)
第1章 告白
「…じゃあ姉弟の秘密、見せてあげる」
郁は覚悟を決めてように、手を伸ばしました。サイドテーブルの上に、機内モードにした郁のスマホがありました。そして郁が操作すると、スマホは何度かバイブしました。
「…悠?」
僕の問いかけに頷くと、僕の横に仰向けに寝転び、少しだけ背を向けました。
「いやん…」
僕が身体を伸ばし画面を覗き込むと、郁が裸体をねじりスマホを隠しました。郁は笑顔でしたが、僕に見えないようにロックを解除しました。
「郁、言ったよ…隠し事は絶対しないって」
郁は一瞬真顔に戻ると、僕に向き直りました。そして今度こそ、本当に覚悟を決めました。
「そうだね…じゃあ、見て!郁の秘密」
郁は僕にスマホを手渡しました。そして、パスコードも教えてくれました。それは僕の誕生日でした。
「メッセージ来てる…見ていい?」
郁は僕の言葉に、無言で頷きました。新着を示す数字が出ているメールアプリを立ち上げると、そこには僕を含むいくつかのIDが並んでいました。その一番上に「パン屋の弟」と名前のついたアイコンがありました。
「郁、これ?」
「…うん、そう」
郁は不安そうな顔をして、僕を見ました。しかし、視線を合わせてはくれません。僕はいったんスマホを置き、郁の方に向き直りました。郁はまだ、不安を隠しきれません。僕は郁を抱きしめ、キスをしました。
「大丈夫だよ…」
「…うん、わかった」
郁は頷くと、いつもの笑顔を見せてくれました。
「うん、悠だよ…」
いつもの口調に戻って、郁が説明してくれました。悠のスマホでは、郁の名前が「パン屋の姉」になっているはずです。
「あたしたち、パン屋姉弟って言われてた…」
「…仲がいいから?」
「最初はそうだった…だから、そのアイコン写真も店長が撮ってくれたの」
丸いアイコンをタップすると、大きな写真が現れました。そこに、お店で見た悠が写っていました。バストアップの写真は、誰かと腕を組んでいます。トリミングされ人物はわかりませんが、悠の腕に白く華奢な腕が絡み合っていました。
郁は覚悟を決めてように、手を伸ばしました。サイドテーブルの上に、機内モードにした郁のスマホがありました。そして郁が操作すると、スマホは何度かバイブしました。
「…悠?」
僕の問いかけに頷くと、僕の横に仰向けに寝転び、少しだけ背を向けました。
「いやん…」
僕が身体を伸ばし画面を覗き込むと、郁が裸体をねじりスマホを隠しました。郁は笑顔でしたが、僕に見えないようにロックを解除しました。
「郁、言ったよ…隠し事は絶対しないって」
郁は一瞬真顔に戻ると、僕に向き直りました。そして今度こそ、本当に覚悟を決めました。
「そうだね…じゃあ、見て!郁の秘密」
郁は僕にスマホを手渡しました。そして、パスコードも教えてくれました。それは僕の誕生日でした。
「メッセージ来てる…見ていい?」
郁は僕の言葉に、無言で頷きました。新着を示す数字が出ているメールアプリを立ち上げると、そこには僕を含むいくつかのIDが並んでいました。その一番上に「パン屋の弟」と名前のついたアイコンがありました。
「郁、これ?」
「…うん、そう」
郁は不安そうな顔をして、僕を見ました。しかし、視線を合わせてはくれません。僕はいったんスマホを置き、郁の方に向き直りました。郁はまだ、不安を隠しきれません。僕は郁を抱きしめ、キスをしました。
「大丈夫だよ…」
「…うん、わかった」
郁は頷くと、いつもの笑顔を見せてくれました。
「うん、悠だよ…」
いつもの口調に戻って、郁が説明してくれました。悠のスマホでは、郁の名前が「パン屋の姉」になっているはずです。
「あたしたち、パン屋姉弟って言われてた…」
「…仲がいいから?」
「最初はそうだった…だから、そのアイコン写真も店長が撮ってくれたの」
丸いアイコンをタップすると、大きな写真が現れました。そこに、お店で見た悠が写っていました。バストアップの写真は、誰かと腕を組んでいます。トリミングされ人物はわかりませんが、悠の腕に白く華奢な腕が絡み合っていました。