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ひだまりのねこ
第5章  パイプカット

優佳はクロちゃんをキャリーケースに入れようとしたのだが、クロちゃんはそれを嫌がった。

1人と1匹で部屋中、追いかけっこをしていたのだ。
クロちゃんはとても動きが早い子だった。

捕まえるのも一苦労である。
優佳は逃げ回るクロちゃんをようやく捕まえて洗濯ネットに入れることができた。

「さ、クロちゃん、大人しくケースに入ってね…」
「(イヤだぁぁああ!!)」

殺されるような声を上げて抵抗するクロちゃん。
やっとの思いでケースに入れた。

キャリーケースを持ち車にそれを乗せて動物病院に向かって走ってゆく。
クロちゃんは車に乗せても「ギャー、ギャー」と鳴きわめく。

優佳は動物病院の駐車場に車を停めた。
キャリーケースを持ちドアを開ける。

受付を済ませて待合室の椅子に腰かけた。
待つ事数分。

「崎山さーん」

名前が呼ばれたので診察室の中に入っていった。

「先生、お久しぶりです」
「そうだね、その後はクロちゃんはどう?」

「元気なんですけど、シーズンが来てしまって」

「大丈夫ですよ。マルちゃんは女の子だったから一泊お泊りしましたけど、クロちゃんは男の子なので日帰りで大丈夫です」

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