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七色のリビドー
第6章 好色な聖職者
「あ、ふあんんんんんッ!!だ、だめ!き、気持ちいい!!」
「奈月ちゃん!!私も…私も気持ちいいよ!!」
「ああああ!和尚様ぁあああ!!だめ、だめだめだめ!!イクッ!!イッちゃううううう!!」
「わ、私もだ!!好きだ奈月!!奈月ぃいいい!!」

びゅるるるるる、びゅる…びびびび…

同時に絶頂を迎え、息を荒げながら脱力する。

「はあ、はあ、はあ、はあ、奈月ちゃ…」

奈月の唇を奪い、強く深く粘膜が絡み合うような口付けを交わした。

ぢゅぷ、くちゃ、ぴちゃ、ぢゅるるる…

「好きだ、好きなんだ、奈月!」

気取った愛の言霊を囁きながら、長いキスに身を委ねていたその刹那、一人の若い僧が、ドア越しに朝の行の開始を告げにやってきた。
直ぐに行くとだけ返事をして、僧を素早く遠ざけた。

(…くそ、)

名残惜しく唇を離すと、怒った表情をした奈月に動揺した。

「ーーな、奈月ちゃ…」

思い返すと、とても酷いことをした。
立場を利用し、騙して、欲情のままに彼女を汚してしまったのだ。

「…その……怒って…いるのか…」
「…当然です。」
「私は…立場とか関係なく…本気で君のことを!」
「ーー身体が…目当てだった癖に!!」

言って、奈月は、そっと下着を身につけ服を纏った。

「き、君が…あまりにも魅力的すぎて…」
「そんな言い訳は通用しません。」
「頼む!どうか…寺は辞めないで欲しい!」

禁忌を侵してしまったことで、奈月と二度と会えなくなるのだけはごめんだと…私は深々と頭を下げる。
そんな私を、スッと奈月が通り過ぎた。

「奈月ちゃん!!」
「…。お寺は辞めません。」
「…え!!?本当かい!?」

背をむけられたままではあったが…奈月の返答に私はホッと安堵した。

「そ、その…身勝手だということは分かっているが…私は、これからも…君との関係を続けたい。」
「……。」
「君を見ていたら…セックスがしたくて…堪らないんだよ!」

はあ、と。
奈月は息を一つだけ吐き出すと…口を開いた。

「そのようなデリカシーの欠片もないお誘いでしたら…お断りです。」

ピシャリとそう言ってのけ、部屋を後にする。
頭がお祭り状態の身勝手な私は、それでも都合よく期待するのだ。
紳士的な誘い方なら、今後も関係を続けられるのかも知れないとーー。

ーーhappy end?

好色な聖職者 完
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