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ダンシング・クィーン
第11章 康子

土曜 日曜と 時間は流れていく

康子と一緒に居て言葉を交わすが 
何処か薄い壁を感じ 

焦燥感にかられ何度 辞めさせようかと
携帯を持ち それを置く事を繰り返していた

月曜

泰三は駅前の喫茶店で 道路を見ていた 
会社には有休を出して 何時もの様に家を出て
この店に入った

待ち合わせは9時と聞いている 8時50分に康子が
タクシーから降りるのが見え 
体にフィットしたワンピースを
黄色のカーディガンの下に着ていた 

栄治が手を振り 康子が走り寄る姿を
泰三は喫茶店の窓から 見つめ
康子が白い車に 乗り込む


泰三は二人を食い入るように見ながら

・・・今なら・・・

・・・・今なら・・・

・・・・・今なら・・・

止めるなら・・・・

心で 呟き
嫉妬と諦めを込めて 見続け

康子は車に乗り込み 車は走り去って行った

泰三は車が走り出した時 立ち上がり 
走る去る車を 見続け・・・・

見送った 

車が見えなく成り 椅子に深く座り
康子の 白い肌の裸身に絡む栄治を
思い浮かべ 深い溜息を付き

泰三は秋葉原に向かった 
盗撮用のカメラを幾つか買い求め 自宅に戻り
時計を見つめ時間を確認する 

・・・・今は・・・

頭の中に 栄治と康子が裸で抱き合う姿を
思い浮かべ 後悔の念が出てしまう 

居間と寝室にカメラをセットして 
自分のパソコンに接続して

 時計を見る 時間は12時を過ぎていた

携帯が着信を知らせ 

取り上げ 添付された写真を開き 
事実を突きつけられた・・・・・
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