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Autamoon(秋月夜)
第8章 いい女
いい女①
わたしは赤いオープンカーの92年式
『アルファロメオスパイダーヴェローチェ』
に乗っている…
「ヤベぇよ」
「えっ、何が?…」
わたしがある喫茶店のカウンターでアイスコーヒーを飲みながら、ノートPCで明日の会議の資料をまとめていると、後ろの席に後から入ってきた男の子、いや、大学生風の彼がそう話しているのが聞こえてきた。
「いや、この店の駐車場に赤い
『アルファロメオスパイダーヴェローチェ』が停まってるんだよ」
興奮気味に話してくる。
「え、あ、アルファロメオ?」
「そう、ヤベぇんだよ…」
「何がヤベぇんだよ」
と、もう一人が笑いながら訊いていた。
「いや、とにかくカッケーんだよ」
「ま、確かに格好いいかもしれないけどさぁ、そこまでは…」
「いや、違うんだよ、そのスパイダーのギアのところにさぁ、ほら、髪をまとめる紅いゴムが絡んであってさぁ…」
「だから?…」
「いや、だから、そのスパイダーのオーナーは女の人みたいで…」
「そりゃ、髪をまとめる紅いゴムがあるなら女の人だわなぁ」
「だろう、間違いないよなぁ…」
わたしは赤いオープンカーの92年式
『アルファロメオスパイダーヴェローチェ』
に乗っている…
「ヤベぇよ」
「えっ、何が?…」
わたしがある喫茶店のカウンターでアイスコーヒーを飲みながら、ノートPCで明日の会議の資料をまとめていると、後ろの席に後から入ってきた男の子、いや、大学生風の彼がそう話しているのが聞こえてきた。
「いや、この店の駐車場に赤い
『アルファロメオスパイダーヴェローチェ』が停まってるんだよ」
興奮気味に話してくる。
「え、あ、アルファロメオ?」
「そう、ヤベぇんだよ…」
「何がヤベぇんだよ」
と、もう一人が笑いながら訊いていた。
「いや、とにかくカッケーんだよ」
「ま、確かに格好いいかもしれないけどさぁ、そこまでは…」
「いや、違うんだよ、そのスパイダーのギアのところにさぁ、ほら、髪をまとめる紅いゴムが絡んであってさぁ…」
「だから?…」
「いや、だから、そのスパイダーのオーナーは女の人みたいで…」
「そりゃ、髪をまとめる紅いゴムがあるなら女の人だわなぁ」
「だろう、間違いないよなぁ…」