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煌めく波濤(はとう)
第1章 煌めく波濤
 17

 うわっ、ヤベえ…

 俺は沖へと必死に波を漕ぎながら(パドリング)その碧の波乗り(ライディング)を見て…

 驚きと感動を感じてしまう…


 本当にその碧のライディングは…

『水を得た魚』の如くのスピードと…

『マーメイド』の如くの美しさであったのだ…


「はぁ、はぁ、はぁ…」
 俺は、息を荒げながらようやく沖に出られ、サーフボードに跨がり波待ちをしていると…

「キャッホー、サイコー」
  碧は満面の笑みでそう叫びながら、俺の傍らへとパドリング(パドル)して戻ってきた。

 さすが、この戻りも素早い…


 サーファーには大まかに分類すると二つのタイプに別れる…

 一つは『コンペティション』タイプ…
 それは文字通り、サーフィン大会等に出場し、より上を、より高みを目指す、そして最終的にはプロ志向とも云える。


 もう一つは『ソウルサーファー』タイプ…
 大会等には殆ど興味がなく、日々の日常生活の中心にサーフィン等の波乗りを取り入れ、純粋に波乗りを楽しみ、波に乗る事に喜びを感じ、求め、自然を愛する。

 細分化するともっと細かく、キリがなくなるが、要は、大会等に出るか、出ないか…
 そんな違いなのだ。

 だが、こうした『コンペティションタイプ』はよりハードであり、波の大小に関わらず、どんな波でも乗りこなすという技量が求められ…
 この碧のような、よりハイレベルになると息も切らさずに軽々と波に乗り、嬉々とする。


「さすがだなぁ」
 そう褒めると…

「まだまだよ…」
 と、ニコニコしながら応えてくる。

 そして…
「ほら、純、来たよ」
 と、沖に目を向け、ウネリが来ているのを俺に促してきた。

「よしっ」
 負けてなるモノか…
 と、俺は必死に波に乗る。


 そして二人のサーフィンセッションが始まった…

 

 昨夜はサイコーなJKに乗り…


 今日はサイコーな波に乗る…


 そして二人でサイコーな時間を過ごしていく…


 気付くと、アッという間に四時間という時間が過ぎていた…


 間もなく午前九時になる…

 



 
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