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第2章 この日のこの国は

この日は、全国的に休日となった。
街の繁華街には多くの人が出歩き、食べ歩きをする人も多かった。
各店は満員御礼。

ところが、その街には、男子の姿がほとんどいない。
どこを見ても、女子、女子、女子、女子。女子だらけ。
男子の姿は、ちらほらとはあった。

テレビ局の女子リポーターが、その男子たちにインタビューした。
「今日、あなたは、なぜアレをしていないのですか？」

答え。
「僕は女子に興味が無いので」
「女子に興味があるけど、仕事があるので」
「立たないんで…」

テレビのスタジオには、アレが用意されていた。
「これですか？アレは」
ひとりの女子コメンテーターが、頭に装着した。
「ん？何も起こらないですねえ」
「あ、それは今のところ男子専用なので。ゆくゆくは女子用も作るらしいです」

そして、アレの機器紹介。
　好みのタイプの人の姿が現れる
　何でもできる
　好みの言葉を言わせることができる
　肉感を伴う
　今日全国の男子に提供されたのはいわゆるバーチャルセックス
　試用期間は１か月
　延長の場合は料金が月……円

この年の日本の性犯罪は、激減した。
しかし。

その７年後の小学校の入学式。
「え？これっぽっちかよ？おまんま食えねえー」
と教師たちが大いに嘆いた。
各学校の新入生は、平均５人。
教師の多くが失業した。

少子化、極まれり。