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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第6章 『真奈美の嫉妬とオムライスの思い出』
親父が家に居る時は、お袋は機嫌が良くて。
晩酌にビールと夕飯とは別に、
親父の晩酌用のツマミも用意して。
たまにお前も飲めとビールを勧められて、
じゃあ1杯だけ…と嬉しそうに一緒に飲んでいた。
今…思えば、その…ビールを勧めて
親父が勧めたビールを断らずに
お袋が飲むのが…今夜はOKのサインで。
親父がお袋に勧めたビールを、
お袋が飲んだ日は決まって。
真夜中ぐらいの時間になると、
寝室から…お袋の…声が…漏れて来ていた。
探偵なんて仕事をしてるから、
普通に毎日ちゃんと帰って来る訳じゃなくて。
帰って来ない日が数日…続く時もあった。
親父が…帰って来ない日は…、
お袋は…僕に…あっちの自分達の寝室のベッドで
一緒に寝ようと…言って来るから。
お袋と一緒に寝れるのが…嬉しかったのもあって。
まぁ…今考えれば…一人寝の寂しさを
紛らわせる為の、僕は
親父の代り…だったんだろうけど。
何も知らない子供の僕は…、ずっと…親父が…
帰って来なかったら良いのに…って
子供ながらに…思う様になりつつあった。