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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第1章 『夫婦円満本舗』
それは、9月のある日曜日の事だった。
…妻である美弥が、こんな事を言って来た。
「私達…このままじゃ…ダメだと…思うの…」
そんな風に…切り出して来て。
ああ、ついに……死刑宣告を俺は受ける時が来たと。
そう…思って居た…のだが…。
「ねぇ、貴方…、私と…一緒に
貴方に来て欲しい場所があるの」
そう言われ…、俺は…
妻の言う…ある場所に向かう事に合意した。
「ああ、そうだな。行こう」
俺の中には…ついにこの時が来たのだなと
そんな気持ちだった。
こうなる日が来るのは…俺も予想していた。
そうか…今日…だったんだな…。
向かう先は…家庭裁判所…だろうか…。
わざわざ離婚調停…なんてしなくても。
俺が…全部悪いんだから…、
俺は…差し出された緑の紙に
拒否する事無く判子を押すと言うのに。
もっと…早くに…、
こんな俺に、愛想尽かして。
自由に…なってくれて……も、
良かったのにと…声を掛けられずに俺は居た。
だが…、美弥の言葉に同意してから
俺は…ある事に気が付いた。
今日は日曜日なのだ、
家庭裁判所も市役所も…やってない…。
ああ、だったら弁護士事務所か…。
弁護士を挟んで離婚の相談を…と言う事か。