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第24章 『成田景子の夫からの依頼』

仁が…真奈美のイメージに合いそうな
香り…っと…思って手に取ったのが。

スイートオレンジの
アロマオイルだった。

オレンジのアロマオイルを
手に持ってしばらく眺めていて。

仁の頭の中で真奈美が、
オレンジの香りなんて
真奈美には子供っぽ過ぎますッと
怒っている真奈美の顔が浮かんで来て。

オレンジってイメージだけど
これだけじゃ…怒られるなと。
ちょっとだけ…別の何かを…
オレンジのオイルに足さないとって
そんな…強迫観念に駆られてしまって。

だからと言って、ボトルの蓋に
書かれている花の名前を見ても…
なんか、真奈美ちゃんの
イメージに合わないし。

ローズって感じでもないし、
ラベンダーって感じでもない。

だからと言ってハーブって感じの匂いが
真奈美ちゃんの合うとも思えない。
と、…言えども、ウッド系の
オリエンタルな香りのイメージもないし…。

ちょっとだけ、このオレンジに
大人ぽさを加えて、子供子供してない
そんな香りに…したいけど…。