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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第1章 『夫婦円満本舗』
「それが…美弥の為になるから、
俺はそうするつもりだ……。
まだ今からでも、美弥は20代だし
美弥も…子供が望める…年齢なんだ…。
男としても…旦那としても役に立たない…
俺の所に何か…美弥も
無理して、居なくても…いい…ッ」
スッと…俺の目の前に…あの…緑の紙を…
茂木と言う男が…出して来て。
『じゃあ、この瞬間から…奥さんである
美弥さんがどこの誰に抱かれても文句は無いと。
そう言う事…ですよね?ご主人…。
ああ、真奈美ちゃん、後はよろしくね?
僕は、美弥さんと奥行くから、
そっちは真奈美ちゃんに頼んだよ?』
「はぁ~い、仁さん、了解です。
真奈美にばっちり、お任せ下さい。
奥の施術室に、奥様とどうぞ~?
お掃除もエアコンもばっちりですよぉ~」
デスクの所に座っていた
助手らしき若い女性に、そう茂木が声を掛けると。
美弥の肩を抱いて、そのまま…茂木は
事務所の部分の奥にあるドアの向こうに消えて行った。
美弥は茂木に肩を抱かれ
不安そうな顔をしながら、止めないのかと
止めてくれないのかと言いたげな顔をして
チラチラとドアが閉まるまで俺の方を見ていて。
その美弥の視線から、俺は自分の目を逸らした。