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千一夜
第61章 第八夜 island 真相の入り口
 それでも私は油断しない。
 痛みが快感に変わるタイミングはいつも同じではない。それを河田も知っている。
「気持ちいいか?」
「もう少し、もう少しゆっくり突いて」
「OK」
 有難いことに河田は焦らない(以前はそうではなかったが)。
 痛みが消えていくと私が河田にサインを送ることになっている。面倒な合図ではない。ただ一言「いいわよ」そう言えばいいのだ。
 河田はサインを待ちながら、ゆっくり腰を回してる(もう一度言うが円を描くように)。
「いいかもしれない」
「……」
 河田が私のあそこを強く突き始める。
 痛みが完全に消えたわけではない。実は私はこの時間が好きだ。軽い痛みと快感が私の中で混在している。やがて痛みは快感の波にさらわれてなくなるのだ(女が初めて男を知って、痛みの恐怖が悦びに変わるあのとき)。
「いいわよ」
「……」
 河田の腰の動きが激しくなった。
 そうなると河田は私に遠慮しない。河田が私を突く。どしんどしんとその一突きが強くて、抑えていた男の欲望が剥き出しになると腰のピストン運動が速くなった。私は河田のそれを受け止めるだけの獲物だ。
 私は河田にキスをされ、乳房を揉まれて乳首をしゃぶられる。河田のそれに決まりなどない。決まりはないが、河田がそうなると私が何を言っても止まらない(男とはそう言うものなのかもしれないが)。
「あああ」
 思わず声が漏れる。
「気持ちよくなったか?」
「……」
 恥ずかしくて「はい」とは答えられない。だから私は小さく頷く。
「所詮麗子も雌なんだよな。僕はそれを喜ぶべきなのか、それとも悲しむべきなのか、まぁ、どうでもいいか」
「……」
 河田の大きなものが私の中に入ってからどのくらい時間が過ぎただろうか、夫婦になると河田のいく時間が大体予想できる。腰の動きであるとか、ペニスの硬さであるとか、予想の判断は一つだけではない。 
 河田はもうすぐ私の中に精子を放出する(私の予感)。体位を変えることなく、最初の射精は、私と河田が正常位で繋がったまま行われる。
「人間だけが互いの表情を伺いながら果てることが出来るんだ。凄いと思わないか?」
 大昔河田は私にそう言った。
 河田の動きが激しくなる。ズドンズドンと突かれた後、河田は私の中に温かな精液を出した。
 射精した河田が、私の上でプルプル痙攣していた。
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