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第11章 第11章　麗と弥生

ーー

弥生を呼ぶ声に　土産売り場の会計を見ていた弥生の
意識がふっと戻った　前に座る
拓哉と直樹が弥生を見詰めている

・・・ゴメン・・・

照れ笑いを浮かべ、俯いている麗に　

「　拓哉！　私の旦那　」
麗が驚いた顔で弥生を見て拓哉に視線を送り
拓哉が照れたような笑い顔で麗に頷いた

「　おめでとう　」
やつれた顔を弥生に向け、怯えていた目に
初めて嬉しそうな光が浮かんだ

・・・押しかけ・・何とかなの・・・

少し照れた笑い顔を麗に向け、立ち上がった

車は高速を走り続け、弥生は麗の手を握り
黙って顔を見続けていた、少しづつ麗が
語り始めて来た、前に座る二人は無言のまま
聞いていたが、突然直樹が怒り声を上げ
麗に顔を向け、

「　なんだ！！　その男！！！　」

弥生と目を合わせ、慌てて前を向いた
高速を降り　脇道を昇って、旅館を
通り過ぎた処で、拓哉が車を止めた

「　着いたは　」