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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第5章 突然の別離
「では」



 ハソンが匙を渡そうとしたのと、室の扉が開いたのはほぼ同時だ。控えの間に続く扉は開け放していたので、表の扉を開ければ居室まで丸見えだった。



「何をしておるかと思えば」



 戸口に立っていたのは、崔家夫人だった。ハソンの母である。萌葱色の上衣に紺色のチマは都で羽振りをきかせる高官の奥方にも引けを取らない上物だ。崔家の内証の豊かさを物語っている。
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