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第5章 突然の別離

　義母が顎を逸らし居丈高に言い放つ。



「気遣いは無用。息子が息を引き取った不吉な場所など見とうもない」



　内心、呆れる科白だ。ハソンは物心ついてからは、この離れを居室として使っていたと聞いている。幼いときから過ごした室で、彼は不幸にも生命を落とした。それは雪鈴のせいではないし、不幸な偶然にすぎない。



　どうも義母はハソンの死は雪鈴がもたらしたものだと思い込んでいるような節があった。